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夏の盛りに行われた公演。
忠三郎追善ということで良鴨さんの古舞もあったけれど、見ものは、なんといっても、超久々の野村萬・万作兄弟の共演での『二千石』だったろう。 番組は、 舞囃子 賀茂 観世銕之丞(囃子:松田弘之 観世豊純 山本哲也 観世元伯) 舞囃子 当麻 近藤健之助(囃子:松田弘之 大蔵源次郎 山本孝 三島元太郎) 狂言 二千石 主人:野村万作 太郎冠者:野村萬 独吟 道成寺 宝生閑 語 那須ノ語 千五郎 小舞 祐善 茂山良鴨 能 四位少将(通小町復曲) シテ 梅若玄祥 ツレ大槻文蔵 ワキ 福王茂十郎 (囃子:松田弘之 大蔵源次郎 山本孝 三島元太郎) 地謡 角当直隆 長山桂三 安藤貴康 山田薫 清水寛二 梅若紀影 観世銕之丞柴田稔 ------------------- 率直な感想でいうと、 ・賀茂;銕之丞さん、相変わらず火の玉な舞囃子。 ただ、某囃子方、いくら宗家といえど、病気のかた、特に震顫ならば、客の注意や視線がそちらに集中してしまうのだから、今は舞台に出るべきではないのでは。。 ちゃんと治療してから復帰したほうがいいのではないか。 ・当麻:さすが乾ノ助師。あの渋い世界観を、きちんと表現されて、美しかった。 ・二千石:別に述べます。 ・道成寺 語り:現代最高峰のワキの語りを聞いた気がする。 余計なちからがはいっていない出だしから、息と鼻と喉を縦横に駆使したワキ語り。 座って語るだけなのに、物語が、情景が浮かんでくる。 登場人物たちの感情まで伝わる、とはいいすぎだろうか。 そして、語りが進んでいくうち、どんどん盛り上がっていく力に瞠目。 安定感と、安心感と、確かさと、それでいて、躍動感と興奮がないまぜになった素晴らしい語りであった。 ・那須ノ語:千五郎さんの那須ノ語、芝居っ気もたっぷりあって見応えあった。 ・祐善:追善ということで、舞った良鴨さん。 立派に舞われました。 地謡の善竹十郎さんたちとの関係性や、パンフに言葉を寄せていた千作さんの心遣いに、ぐっときました。 素晴らしい狂言師になってください。 ・四位少将: 最初に言っておくと、自分は、通小町という曲自体があまり好きではない。 夢幻能と現在能の中間みたいな感じで、お尻の座りどころがむずむずしちゃうのだ。 そして、相変わらずの国立能楽堂の冷房の強さに、うっかり上着をもってきておらず、ズボンにポロシャツ1枚、という格好で体がすっかり、冷えてしまった。 能自体は、とてもしっかりまとまっていたと思います。 復曲能としては、素晴らしいレベル。 でも、ちょっと演者さんたちの思い入れのたっぷりさ加減で、ぐったりしてしまったのです。 あくまで個人的なのだけれど、曲自体、親しみが湧かないので、正直、重い、つらい、という意識が先に立ってしまった。 玄祥さん、帰りの橋掛かりでも、タップリ、だったしね。。ちょっと自分には相性が悪かった能でした。 『二千石』はこのあと別に。
by TOMOiwsk
| 2012-08-19 21:42
| 映画・舞台
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